ベトナムの文化とおもてなしのベース

おもてなしが浸透しやすい国

ベトナム人の国民性

日本の文化であるおもてなしを海外で浸透させることは容易ではありません。それは各国の文化や習慣、国民性などが大きく影響しているからです。しかし、ベトナムという国は「勤勉で真面目」「家族思い」「器用」といったイメージが強く、また、親日国であることから、日本と似ている点が多くあります。多くの日系企業がベトナムに進出しているのは、これらが大きな理由です。さらにベトナム人は陽気で明るく、楽観的な人が多く、外国人に対しても非常にフレンドリーです。毎年多くの外国人がベトナムを観光していることもあって、旅行者に対して気軽に声をかけることも珍しくありません。このように日本と似ている点や外国人に対してもフレンドリーな点、そして何より勤勉で真面目な性格であるベトナム人にとって、おもてなしを理解し、行動に移すことは難しいことではありません。

おもてなしの基本

なぜベトナム人にとっておもてなしの実践が難しいことでないのか、それはおもてなしの基本にも理由が隠れています。おもてなしの基本は「相手に喜んでもらう」ことです。そして、その関係性は決して主従の関係ではなく、対等な関係となります。ベトナム人はこの「相手に喜んでもらう」という考えが、考え方の根本にあります。ベトナムの夕食時は、家族や親戚で集まってご飯を食べているのをよく目にします。親族以外にも近所に住んでいる人々も巻き込んでの食事も多いそうです。テーブルに並ぶ料理の大半が大皿で、食べるときにみんなで分け合います。このような機会が多いこともあって、日本以上にコミュニケーションが多く、また、相手をもてなすという習慣があるのです。

おもてなしをビジネスに

ここまで紹介してきたように、ベトナム人の心にはすでにおもてなしの心が存在しています。しかし、そんなベトナム人もビジネスにおいては、おもてなしを十分に発揮できていないことが多いです。小売店や飲食店などでスマホをいじってばかりの店員、道順に詳しくない上に運転も乱暴なタクシー運転手、約束の期限や時間に遅れてしまう企業など、ビジネスとなると極端におもてなしの心が隠れてしまいます。しかし、これはベトナム人が悪いわけではなく、そういう習慣が当たり前となってしまっているのです。ベトナムはここ数年でものすごい経済発展を遂げています。それに伴って、第三次産業が溢れかえっており、飲食店などは閉店してはまた新しいお店が開店して、入れ替わりも激しいです。ここで重要になってくるのはサービスの質で差別化を図ることです。おもてなしのベースがあるベトナムだからこそ、おもてなし研修を通してより良い価値を生み出していく必要があるのです。

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