心技体で行動に移す

どのようにおもてなしを実践するか

心技体とは

日本では、柔道や剣道などの武道を指導する際に「心技体」という言葉が良く使われています。最近では武道のみならず、野球やサッカーなどのスポーツにおいても耳にすることが多い言葉です。この「心技体」とは、選手のパフォーマンスに必要な3つの要素を表しています。それぞれ「心」はメンタルや精神力、「技」は技術やテクニック、「体」はフィジカルや筋力・持久力などの体力のことです。これらの3つの要素は、決して独立しているわけではなく、お互いが支え合うことでより良いパフォーマンスが発揮されます。そのため、スポーツ選手の指導の中で、どれか1つを鍛えていくのではなく、3つの要素をバランス良く鍛えていくのが重要とされています。

おもてなしと心技体

「心技体」は武道やスポーツだけではなく、おもてなしを考える際にも非常に重要な言葉になります。スポーツ選手のパフォーマンス同様、私たちが実践していくおもてなしも、この「心技体」がバランスよく揃っていることで、お客様に対して大きな感動を生み出すことができるのです。おもてなしの「心」は相手を思いやる気持ちです。自分に対しての見返りを求めず、相手に喜んでいただきたいという素直な気持ちが、相手に対しての行動に変わっていきます。次におもてなしの「技」はプロとしての技術力です。おもてなしをビジネスとして実践する以上、相手は家族や友人ではなくお客様となります。お客様は対価を支払うことで、私たちのサービスや商品を受け取ります。どれだけ気持ちがこもっていても、サービスの質や商品の品質が低いようであれば、お客様が喜ぶことはないでしょう。私たちはどのような職業であっても、プロとしての自覚を持ち、日々技術力の向上を目指す必要があります。最後におもてなしの「体」は私たちの健康です。私たち自身が心身ともに健康な状態でなければ、本物のおもてなしは生まれません。日々の生活習慣や長時間労働により、心身ともに疲弊している状態では、相手のことを思いやる心のゆとりが生まれません。その結果、自分の利益を優先してしまったり、お客様への対応がルーティン化してしまう可能性があります。本物のおもてなしで感動を生み出すためには、「心技体」が必要不可欠です。この3つの要素を鍛えて、実際の行動に移していくことが、おもてなしの第一歩となるのです。

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